ケレンとは何か?今回はケレンについてご説明します。


ケレンとは何か?今回はケレンについてご説明します。

ケレンとは

ケレンとは主に鉄部に対して行う「素地調整」を意味する言葉で、素地調整の中でもさび落としの意味合いで使われることが多いです。 建築現場では「素地ごしらえ」「下地処理」などという言葉も使われていますが、基本的に行う作業は同じ。 塗料を塗る前に素地をキレイにする、整えることをいいます。  

ケレン作業の重要性

なぜケレン作業は重要なのでしょうか?それは、ケレン作業無しではさまざまな問題が起こるからです。ケレン作業が不十分のまま塗装を行うと、
 
塗った塗膜が剥がれたり光沢が無かったりムラになったりといろいろな問題が発生してしまいます。
また塗装して数カ月後には塗料が剥げ落ち、錆が発生・・・なんて事もあります。そのような事態を防ぐためにも、ケレン作業は必要不可欠になってきます。

ケレンの種類

ケレン作業は、その作業内容や方法に応じて大きく1種ケレンから4種ケレンまでの4種類に分類されます。さびの面積や塗膜の割れ、 膨れなど旧塗膜の状態からどの程度の素地調整を行うかを判断します。  

1種ケレン:ブラスト法を用いてさびや旧塗膜を徹底除去

4種類の中で最もケレンの効果が優れているのがこの1種ケレン。さびや旧塗膜を完全に除去して鋼材面を露出させます。 細かい砂や金属片などを使った研磨剤を高い圧力で打ち付けて表面をみがく「ブラスト法」を用います。とにかく大掛かりな作業になるため、 道路橋など大きな構造物に対してのみ行われます。徹底してさびや汚れが落ちるので防食効果は抜群ですが、粉塵が飛び散る、 騒音が大きいなど周辺への影響が大きいのが難点です。作業を行うときは足場に専用の養生をしっかりと施し、作業者の防護も必要となります。  

2種ケレン:ディスクサンダーなどの動力工具を用いる素地調整

さびが発生している面積が30%以上とさびの状況が深刻な場合、この2種ケレンを用いてさびや旧塗膜を除去して鋼材面を露出させます。 2種ケレンはブラスト法ではなく、ディスクサンダーなどの動力工具や手工具を使ってさびや汚れを除去します。 職人の手作業で全てを行う2種ケレンは、橋梁など大規模な構造物の場合においては、鋼材面の面積も広く作業に時間がかかり費用も高くなるので実用的ではないとされています。

3種ケレン:活膜を残し、死膜は除去する

1種、2種はさびや汚れだけではなく旧塗膜をすべて取り除くことが前提ですが、3種は旧塗膜のうちしっかり密着しているものを「活膜」として残し、 さびが発生している面やひび割れたり膨れたりしている旧塗膜を除去します。さびが発生している面やひび割れたり膨れたりしている旧塗膜の面が どれくらいの割合であるかのさび面積・塗膜異常面積で3種A、B、Cの3段階に分けて考えます。作業自体は2種と同様に動力工具や手工具を使ってさびや汚れを除去します。 ちなみにひび割れたり膨れたりしている状態の旧塗膜は、「死膜」などと呼ばれます。 【3種Aケレンさびが発生している面積 15~30%,塗膜異常面積 30%異常 【3種Bケレンさびが発生している面積 5~15%,塗膜異常面積 15~30%異常 【3種Cケレンさびが発生している面積 5%,塗膜異常面積 5~15%異常  

4種ケレン:軽く目荒しする清掃ケレン

活膜は基本的に残し、それ以外のさびが発生している面やひび割れたり膨れたりしている旧塗膜を除去します。 全体的にダメージが少なく、さびも特に見当たらず、異常をきたしている塗付面が5%以下のケースで、汚れを落とし、軽く目荒しすることが主となります。 目荒しとは、塗膜の食いつきをよくするために表面に凸凹をつけることです。作業自体は2種、3種と同様に動力工具や手工具を使用して行います。      

施工実績

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