2023.7.24
ベランダや屋上の床に施工するウレタン防水って何?
ウレタン防水とは
液体状のウレタン樹脂を複数回塗布し、化学反応で硬化させて防水層を作る工法です。施工には技術が必要で防水機能を十分に発揮するためには、
ある程度の厚みをもたせて施工する必要があります。材料が液体状のため、下地の形状によくなじみ複雑な形状の下地でも継ぎ目のない防水層が施工可能です。
硬化するとゴム状で弾性のある水密性の高い皮膜を形成します。
ウレタン防水の耐久性や劣化の原因
ウレタン防水の耐用年数は、一般的に8〜10年と言われています。ウレタン防水は、プライマーを塗布した上からウレタンの防水材を塗り、
その上から保護材としてトップコートを塗っていく防水工法です。
ウレタン防水材を保護するためのトップコートですが、紫外線や汚れによる劣化が進むと、次第にその効果は薄れてきてしまいます。
そのため、8〜10年でトップコートの塗り替え等のメンテナンスを行う必要があります。
ウレタン防水のメリット
- 複雑な場所にも施工可能
- 既存防水層を撤去しない重ね塗りが可能で廃材が出づらい
- 防水層が軽量で建物に負担をかけにくい
- 継ぎ目のない防水層が形成可能
- 工期が短く、コストを抑えることが可能
ウレタン防水のデメリット
- 手作業のため、塗膜面の均一性が難しい
- 塗装のムラは劣化を早める原因になる
- 施工中は雨に弱く、硬化不良の可能性がある
- 定期的(5~6年毎に)にトップコートの塗り替えをする必要がある
ウレタン防水の施工に適した場所
基本的にウレタン防水は、施工する床の面積・形状を問わず、多くの場所で施工できる汎用性の高さが特徴です。
マンションやビルの屋上、アパートや戸建て住宅のベランダ・バルコニーに加え、共用廊下や床部分等、幅広い箇所に施工可能です。
ウレタン防水以外の防水工法
FRP防水
FRP(エフアールピー)防水は、洗濯物などで頻繁に人が出入りする陸屋根(屋上)に最適な工法です。
FRP防水の床は、まずガラス繊維を敷き詰め、つづいてその上をポリエステル樹脂で固める方法で作ります。
デパートの屋上駐車場などにも使われる防水工法で、非常に丈夫な床に仕上がります。
そのため、人がよく歩くことのある陸屋根や、重いものを置く陸屋根に向いています
シート防水
シート防水は、充分な防水性能を持ちながら、施工費用・メンテナンス費用ともに安価な防水工法です。
シート防水の床は、塩化ビニール製などのシートを熱や接着剤で貼り付けることで完成します。
また、シートの色やデザインも豊富なため、人目につく陸屋根にも最適です。
アスファルト防水
アスファルト防水の床は、アスファルトでできたシートをバーナーであぶりながら貼り付ける「トーチ工法」と、
同様のシートを粘着剤で貼り付ける「冷工法」があります。防水性能は高いのですが、非常に重いため家の耐荷重によっては負担をかけてしまいます。