遮熱塗料のメリット、デメリットを説明します


遮熱塗料とは

正式名称を「高日射反射率塗料」と言い、2011年に、日本塗料工業会によってJIS K5675という工業規格が定められました。 遮熱塗料は、太陽光の中でも近赤外線と呼ばれる生物が暖かさを感じる光を反射する機能を持っています。 この太陽光から発せられる近赤外線を反射することによって、屋根や外壁に熱がこもるのを防ぎます。 また、室内の温度管理に役立つことから、冷暖房の効果を上げる作用があり、省エネにも役立ちます。

遮熱塗料のメリット

1室温の上昇を抑えることができる

遮熱塗料のもたらす効果の一つは、「室温の上昇を抑えることができる」ということです。 遮熱塗料を屋根や外壁に塗ることで、塗布面は太陽を反射します。 その結果、屋根材や外壁材が蓄熱しずらくなり室内温度上昇の抑制につながります。

2節電・省エネにつながる

実は、夏の日中(14時頃)に一般家庭で消費する電力のうち、58%を占めるのがエアコンによる電力だと言われています。 「遮熱塗料が室温の上昇を抑えることで、冷房を使いすぎなくなり、間接的にCO2も減る」というのが、遮熱塗料のメリットなのです。

3建材の熱損傷を防ぐ

「屋根材・外壁材は、熱の作用を受けることで劣化が進み、耐用年数が短くなることがある」と言われています。 遮熱塗料は、表面温度の上昇を抑制する効果によって熱の作用を軽減するため、熱損傷による建材へのダメージも減らすことができます。

4助成金を使って塗装工事ができる可能性がある

自治体によっては、遮熱塗料での塗装工事に助成金を給付している場合があります。 これは遮熱塗料による省エネ効果を期待したもので、一度の塗装工事につき10万円~30万円ほどの助成金がおります。 助成金制度はすべての自治体に設けられているものではありませんが、遮熱塗料での塗装を検討しているのであれば、お住まいの自治体の助成金制度を調べてみるのをおすすめします。

遮熱塗料のデメリット

1一般的なシリコン塗料よりもコストが若干高い

遮熱塗料は、遮熱という特殊機能をもっている分、通常の塗料と比較すると工事費用がやや高くなる傾向があります。 しかし、遮熱塗料と通常の塗料の価格差は徐々に縮まってきており、現在では、もはや価格差はほとんどないと言っても差し支えない状況です。

2塗膜そのものの耐久性が高いわけではない

よく勘違いされる点ですが、遮熱塗料はあくまで日射反射率の高い塗料であって、無機塗料などのように塗膜自体の耐久性能が高い塗料ではありません。

3劣化すると遮熱性能が落ちる

塗装工事で、遮熱塗料を検討する際は、「その機能がいつまで続くか」「時間の経過とともに性能がどれくらい落ちていくか」といったことを考慮に入れる必要があります。 遮熱塗料も経年劣化に伴って、遮熱性能も徐々に落ちていきます。

4断熱効果はない

遮熱塗料はあくまで太陽光を反射し、表面温度の上昇を防ぐことが基本原理です。 そのため、外の熱を中に伝えないことはできても、中の熱を外に逃がさないことはできないのです。

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