皆さんは、複層仕上げ塗材という塗料をご存じでしょうか。
恐らく、多くの方にとっては聞き馴染みのない言葉だと思います。
複層仕上げ塗材はその名の通り、塗装の仕上げの際に用いられる塗料で、複雑な構造をしています。
今回は、そんな複層仕上げ塗材の構造をご紹介します。
□仕上げの方法をご紹介します!
塗料を仕上げる方法は一つではありません。
ここでは、3つの塗料の種類ごとに、仕上げの方法をご紹介します。
*複層弾性塗料
複層弾性塗料は以下のような工程で仕上げます。
・下塗り(シーラー)
・高弾性の中塗り塗料×2回
・上塗り塗料×2回
このような工程で仕上げられた塗料の弾力性は、8〜10年程度もつとされています。
中塗り材と上塗り材では別の塗料を塗り、上塗り塗料はグレードを自由に選べます。
塗膜が熱いため防水性が高く、弾力性も他の方法より高いですが、工程が多いため時間がかかるのがネックです。
*単層弾性塗料
単層弾性塗料は、複層弾性塗料から中塗りを省いた工程で仕上げます。
上塗り材を2回塗ることで厚みをつけ、ひび割れには強くなりますが、弾力性は複層弾性塗料に比べて3分の2程度まで落ちてしまいます。
*微弾性塗料
微弾性フィラーと呼ばれる厚みをつけられる下塗り材を、シーラーの代わりに塗る工法です。
厚みがあるため、弾力性は多少高められますが、密着性はシーラーよりも悪くなってしまいます。
耐用年数も短くなってしまうため、施工には注意が必要です。
□複層仕上げ塗材とは?目的と特徴をご紹介します!
複層仕上げ塗材とは、凹凸を造る主材や美観と耐候性を向上させるための仕上げ材など、複数の塗膜を塗り重ねるもののことです。
複層仕上げ塗材の構成要素は以下の通りです。
・下塗材
・主材
・仕上げ材
下塗材には、素地の吸い込みを均一にするための素地調整の役割や、主材との付着性を向上させる役割があります。
下塗材に加えて、テクスチャーを形成することで模様を表現する主材、つや出しや着色、主材の耐候性や防汚性の向上を目的とした仕上げ材の、3つの要素で構成されています。
特に下塗材には、脆弱化した素地を強化するタイプのものもあるため、複層仕上げ塗材の着工を検討する際には、よく確認することをおすすめします。
□まとめ
今回は、あまり聞きなれない複層仕上げ塗材の概要についてや、さまざまな仕上げの方法をご紹介しました。
概要もかなり複雑なため、分かりにくい部分も多いですが、本記事を読んで気になった方は、施工の際にぜひ確認してみてください。